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「清流記」

59話 「ラースの生い立ち」




マッシュ「・・・。どうやら敵意はないようだな。良かったら君のことをもっと教えてくれないか?」

ラース「・・・。不思議な人達ですね。僕のあの姿を見て、更にあんなことを聞いた後なのに平然としていられるなんて。」

マッシュ「村の悪魔騒ぎは知っているね?だが村人に被害がないのは、君に悪意がないということだ。さっきのヒトミに対してもね。だから私が君を警戒する理由などないということさ。」

ラース「村で自分のことが噂になっているのは知っています。でもこの満月の夜だけは、どうしてもアレを抑えることが出来ないんです。どうしても・・・。」

マッシュ「アレっていうのは、さっきの君の姿のことか?」

ラース「ええ・・・。普段は今みたいに人の姿でいられるんです。だから仕事で切った木材を加工して、村の大工さんに届けたりもします。ただ、自分の中のアレがいつ表に出てくるか分からないので人との関わりは最小限に抑えているんです。」

マッシュ「さっき君は両親のことを言っていたけど、森で一緒に暮らしているのか?」

クライド「そうだよ・・・。その話が本当なら問題はお父さん・・・。」

ラース「父は僕が生まれる前に、母の前から姿を消したそうです。なので父については何も・・・。母は父が居なくなった後に僕を産み、ある村で共に暮らしていたのですが・・・。」

マッシュ「何かあったのか?」

ラース「自分の故郷であるその村に、突如モンスターの群れが現れたんです。自分は、自分の中の恐ろしい力を持ったもう1つの存在には気付いていながら、ずっと隠してきました。でも、押し寄せるモンスターの群れにみんな次々と殺された。自分も剣を取り戦いましたが自力じゃ村は救えない。そこで僕はアレを表に出してモンスターを撃退したんです。そうして村は救われた。救われたんです・・・。」

マッシュ「村は無事救われて、なにか問題でも??」

ラース「まだ続きがあって・・・。アレの力のお陰で村は救われました。でも、その姿になった自分を見てみんな怯えるんです。中には白い視線を送る人も・・・。自分は悟りました。もうここへは居られないと。そして母に迷惑が及ぶ前に自分は村を出たんです。長い旅の末行き着いたのがこの森で、もう3年くらいになります。」

マッシュ「すまない。辛い過去を思い出させてしまった・・・。」

クライド、リヴ、ホルス「・・・。」

ラース「いえ、いいんです・・・。まさかこんなことを話せる時が来るなんて思っても見なかったし、ちょっとスッキリしました。」

マッシュ「本当にすまない・・・。だが事情が事情だけに、まだ聞かなければならないことがある・・・。」

ラース「いいですよ。もう乗り掛かった船です。」

マッシュ「アレについてだが・・・。君は故郷で、ずっとその事を隠して来たと言った。今日みたいな満月の夜、
その村で君はあの姿にならなかったのか?」

ラース「アレは常に自分の中に居るものなんですが、特に満月の夜になると強い衝動が起こるんです。それは故郷でも同じでしたが、抑えることが出来た・・・。今思えば、なんでだろう・・・。」

マッシュ「・・・。そして今日この満月の夜に、何故か普通の人間として居られる。か・・・。どう思うクライド?」

クライド「う~ん・・・。ラースさんが変身しようとしたときに、確かリヴが肩に手を当ててなだめてたよね?悪魔って実は人間の女に弱いんじゃない!!村ではお母さんと暮らしてたっていうし。どう?僕の推理!!」

ラース「いや・・・。自分はなんとも・・・。」

マッシュ「リヴさん。彼が変貌していくのを見て、何故あんな行動を・・・。」

リヴ「・・・。ラースさん、みんなと出会う前の私と同じ目をしてた・・・。深い闇に囚われた悲しい目。そう・・・。何て言うか・・・。孤独な目・・・。」

マッシュ「孤独・・・。か・・・。」

リヴ「ラースさんはあんな状況でも誰も傷つけようとしなかったし、きっと優しい人なんだって思った・・・。何となくそう思って私・・・。」

ラース「・・・。」

マッシュ「・・・。」







マッシュは、何か深く思い出すように塞ぎ混んでしまった・・・。




・・・。


・・・・・・。


・・・・・・・・・。





ふと我に還ったかのような表情を浮かべるとマッシュは、ラースの目を一点に見つめた・・・。









そして大きく息を吸い込み、マッシュは言った。









マッシュ「私達と来ないか?」








ラース「はい??」







ラースは呆気にとられて、聞き返す。



ラース「な・・なんですか??」

マッシュ「・・・。我々は地方の無法者を討伐するために自警団を結成している。とは言え今はこの4人と、他に2人の仲間がいるだけだ。思ったよりも敵の勢力が大きくてね。今、仲間を探し旅をしているところだ。君さえ良ければ私達の仲間に入らないか?」

ラース「・・・。」

クライド「ちょ、ちょっとマッシュ!!いきなり何言い出すんだよ!!ラースさんも呆れてるYO!!」

マッシュ「私は本気だぞクライド。」

クライド「いや、そう言うことじゃなくてさ・・・。今出会って、ちょっと話聞いただけなのに勧誘するのはおかしいでしょ??」

リヴ「私もマッシュさんの意見に賛成♪」

クライド「おいおいリヴまでどうしたんだよ(汗)。後でタカさんとゴタゴタなっても知らないからね・・・。」

リヴ「ふふふ♪」

マッシュ「聞いての通りだ。答えはすぐじゃなくてもいい。準備を整えるため明日1日は近くの村に滞在するつもりだ。君にその気があれば明後日の朝、この場所で合流しよう。」

ラース「明後日の朝、ここで・・・。」

マッシュ「もう一度言うが、私は本気だ。いい答えを待っている。」

ラース「でも、自分は・・・。」

マッシュ「今日はうちのヒトミが迷惑をかけた。本当に申し訳ない。」






そう言うとマッシュは深々と頭を下げる。







リヴ「あっ、マッシュさんやめて下さい。これはちゃんとヒトミちゃんの面倒を見てなかった私が悪いんです(汗)。ラースさんごめんなさい・・・。」

クライド「うちのヒトミがごめんなさい・・・。」

ホルス「・・・。」

ラース「やめて下さいみなさん。怪我などないし、大丈夫ですから。(汗)」

マッシュは「さっきの話、よく考えておいてくれ。では失礼する。」

クライド「なんか・・・。急に色々すいませんね。あんまり気にしないで下さいね。(汗)」

ラース「はははは・・・。」








こうして一行は、その場を後にした・・・。









ラース「はは・・・。変わった人達だったな。」








少し間を置きラースは言った。




・・・。




ラース「はは・・・。か・・・。・・・。一体いつぶりだろう・・・。こんなに笑ったの・・・。」









・・・。

自分の中の悪魔の存在を恐れ、母の元を去り故郷を離れ、自ら選んだ孤独・・・。
心の拠り所を失ったラースにとって、迫り来る衝動が彼を深く闇へと追いやってしまっていたのかもしれない・・・。
ただラースの人として在りたいという自我が、寸前のところで食い止めていたのであろう・・・。
その一点のみで悪魔の暴走を止めていたようだ・・・。

自分の忌むべき姿を見た者が、ごく普通の人のように接してくれたマッシュ達。
そんな彼らを目の当たりしたラースは何を思うのか・・・。

・・・。

そして・・・。
リヴの放った「孤独」という言葉に何かを思うマッシュ。
時期国王として育てられた彼もまた、解り合える友もなく常に孤独だったのかも知れない・・・。



・・・。



少々強引とも言える勧誘。
果たしてラースは明後日の朝、この場所に現れるのであろうか?





続く・・・。




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コメント

Re: No title

Gちゃんこんばんは~
またまたコメントサンキュー♪

暗キャラ好きなの?
確か渋いおじさまクロコファンでもあったよね~
ストライクゾーン広いなGちゃん!

らしからぬ真面目コメント(笑)
どう?
ラースの過去にグッと来た?
泣きたい時は泣いていいんだよ!

そうだよね(笑)
なんで似たようなコメントが2つって思った(笑)
次の話もちゃんと読んでね~

No title

またまた暗い過去をお持ちのお素敵キャラ……

過去が複雑であればあるほど、暗い過去を背負っているからこそ、その人から放たれる光が、より一層輝くんだろうね~!
?影の(陰?)暗さを知ってるからこそ、光の尊さを知ってる……なぁんて!

くっさいセリフ言うてもた!!

てか……間違えて非公開コメントしてもた!やり直し~Σ(; ゚Д゚)ウハッ


今晩~!セージ氏よ!!YO????

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Re: No title

らすさんこんにちは~
嬉しいコメントありがとうございます♪
そんな風にキャラクターの心に少しでも触れて貰えると感激ですね~
各キャラの心中を読み取って話を読んでもらえれば、また色んな視野が広がって楽しいと思うんですよね!
これからもストーリーに逸りつつ、話を掘り下げて書いていこうと思います!

ラースにはかなり衝撃的な出会いだったと思います。
人と悪魔の血を引くからこそ、第三者の立場で人の気持ちがわかるから・・・。
そんな彼の正体というか、もうひとつの姿を見た人間が自分の話を聞き、さらには勧誘という突拍子もない行動。
サプライズのオンパレードですよね~

リヴは長髪の金髪の癒し系女子です(笑)
勿論美人(綺麗系)♪
服装はそれに合った自分好みの想像で(笑)
コラボ(汗)
どうも絵を書く気がなかなか起きず(汗)
造形の猫を作り出したり、そっちにまだ入れてません(汗)
こっちのラースはラスニールの若き頃の設定にでもしますか(笑)
コラボ企画にリヴも~
となるとBのスイッチはなかなか入るまで遅いので、暫しお待ちを(汗)

No title

こんにちは(*^_^*)

ヤバいっす。
半端ないっす。
これまでとは感情移入度が!

もちろんこれまでも面白かったのですが、
今回は特に、ハマって読んでしまいました。

ラースはどうするんでしょうねえ。
自分を人間として接してくれた人たちの力になろうと思うのか。。

リヴってどんな感じの子なんでしょうか。
髪型とか服装とか。
ラースとリヴの最初の絡み、
あの1カットだけでもコラボ企画として絵に描きたくなりました。

Re: ワオオオオオン!

ちっぷさんこんばんは~
いやいや悪魔だって(笑)
ジップの設定はそれでいきますか?(笑)

故郷を追われる件は、先方のストーリーをまんまパクりました(笑)
話の作り方は僕風ですけどね~
リヴもあれこれあった過去があるし、マッシュも実は・・・。
みたいな!
理解者のリヴに、ラースが恋する話もあったりして!
そうするとマッシュの恋敵ですね~
リヴはクライドが好きだけど(笑)
クライドは天然で気付かない(笑)

先に女性キャラ!!
もうすぐジップの出番ですよ!
しかもそこから話が動く!!
ある意味寄り道も兼ねた増員ですよこれは!!
あっ!やべ・・・。
まだ仲間になってなかった・・・。
一度は断っておいて、リヴが気になりストーキングして話に絡むとか・・・。

ハードルはこれから上がる!
ちっぷさんのアバターのジップの登場をお楽しみに!!
ホントそこから話が動くから・・・。
しつこい?

Re: No title

ボンちゃんこんばんは~
今回登場のラースは、あの裸のらすさんだよ(笑)
ボンちゃんは読んでないから出さないんで心配要らないよ~
もしかしたら読んでないことをいいことに、チャムリンに次ぐ雑魚キャラとして起用するかも♪
そんときゃストレートに名前はボンでいいよね?
ちゃんとやられる時は、ボン!っていう効果音で弾けて死ぬようにするからさ~

・・・。

ピーチの話はガッツリ無視。

Re: うううむ

カズさんこんばんは~
ストーリーも大事かも知れませんが、それを取り巻くキャラクターも大事にしていきたいので掘り下げて語っていきます♪
そうすると読んでる人の中で、何かしらアクションが起こった時にキャラクターの心理的なものが入って来るかなと・・・。
このキャラはこういう人間だからこういう行動に出たんだ!とか、話が続いた時に、こいつならこうするんじゃない?とか想像が膨らむんじゃないですかね~
文章ばっかりで全てが読み手の想像任せなので、こうしたビジョンの手助けになればと思って書いてます。
効果音なんかも(笑)

ヒトミは動物なので、それが自然ですよね!
ラースは力を解放するときは、ある種自分との戦いでしょう。
如何にコントロール出来るか。

クライドのYOは、はじめて出しましたYO(笑)
こそっとこういうの出すのも面白いかなと思って(笑)

ワオオオオオン!

狼男!

ラース泣かせる。。
なんか切なくええ話やん…(´Д`)

リヴとの関係も気になる…
ラースにとって癒やしの存在…

しかし!そこに新たな女性キャラ出現!
リヴとラースの恋の行方は!?
…になっちゃう?w( ´艸`)
ならんか。。。

明日の朝、来るよね?
いや!でもそう易々と来てもらっては困る!w

なんか一波乱あるよね~~( ´艸`)
ハードル上げるよね~w






No title

小説はがっつりスルーして


CIAの助手は募集してない?
うちに黄色い飛べるやつがいるんだけど。。。
募集されてるか飛んで見にいくって言ってるわw

うううむ

キャラクターが、なかなか深い事になって来てますなぁ。
よく、キャラクターがしっかりすれば、勝手に話が
進んでいくとかって作家さんが言っていたりしますけど・・・・
話は、もちろんセーちゃんがヒーヒー考えないといけない
けど、この場面なら、このキャラはこう言うだろうみたいなの
固まって来てるんぢゃない?

ヒトミもそうだけど、ラースも、かなり変身すると豹変する
タイプなような気がする。

クライド・・・・YO!つけた?(前からついてたっけ?笑)
非公開コメント
追憶・・・。
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作者プロフィール

セージ

Author:セージ
伝説の暗殺術「アクア神拳」伝承者。
アクア神拳とは・・・。
水槽に癒されている敵を流木や石で攻撃し、体の外部から破壊する恐ろしき暗殺術である。

そして男は、今日も週間少年ジャンプを愛し続ける…。

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